
2016年9月中間連結決算について説明するトヨタ自動車の伊地知隆彦副社長=8日午後、東京都文京区【拡大】
米国の新車市場は減速が続き、10月まで3カ月連続で前年実績を下回っている。しかも、売れ筋がトヨタの得意とする小型車やセダンから、スポーツ用多目的車(SUV)など比較的大型の車種に移っていることも逆風だ。市場の減速により顧客争奪戦も激しく、米国勢との値下げ競争に巻き込まれれば、利幅の低下も避けられない。
懸念は米国だけにとどまらない。好調が続く中国も年末に小型車減税が終われば販売減が確実。強みを持つタイやマレーシアも市場は縮小傾向で、想定より販売が伸び悩む恐れもある。
こうした状況下での業績改善には、研究開発費の削減も一つの手段だ。しかしトヨタは最高益だった前期より開発費を増やし、過去最高額の1兆700億円を投じる計画。開発競争が激しい環境対応車などへの投資がかさむためだ。
会見で伊地知副社長は環境対応車戦略について「(水素で走る)燃料電池車が究極(の本命)だ」と述べ、従来通りの方針を強調した。その上で、今冬に発売するプラグインハイブリッド車(PHV)に加え、電気自動車(EV)も「投入を検討できる体制にしたい」と述べ、全方位で開発を進める考えを示した。