
ワールドシリーズ開催が71年ぶりとなった本拠地リグリー・フィールドで、開場を待つカブスファン=10月28日、シカゴ(共同)【拡大】
新オーナーとなったリケッツ氏の経営戦略は、収容人数も少なく老朽化した球場と周辺エリアの再開発、チーム強化で、総合的に売り上げと収益を伸ばすことだった。その一環として、カブスによる観戦価格のコントロールが及ばない屋上観戦ビジネスを自らの下に置き、売り上げそのものの取り込みを目指した。
2013年初め、同氏は総額3億7500万ドル(現在のレートで約400億円)の再開発計画を打ち出した。14年には3990平方フィート(約370平方メートル)のジャンボトロンを含む計7つの広告看板を球場に設置すると明らかにし、シカゴ市から建設の許可を得た。
◆「屋上」を支配下に
看板設置で視界が妨げられることを圧力に、屋上観戦ビジネスの売却を迫るカブスに対し、屋上オーナーたちは工事差し止め訴訟を起こしたが、球団側が完勝した。その結果、16年4月時点で、全部で16を数える屋上観戦ビジネスのうち10が球団やその子会社などの所有となっている。
球団の経営においては、チケット収入をいかに増やすかが最大の課題である。
その方法として(1)観客席を増やす(2)会員制レストランやラウンジにアクセスできる高級席「クラブシート」や「スイートボックス」の新増設で単価を上げる(3)野球以外のイベントに利用する-などが挙げられる。これらの実行には資金調達と返済原資が必要となるが、カブスの場合は、広告看板の増設で新たな収入を獲得した。球場の立地エリア全体をボールパークおよびアミューズメント施設として開発し、総合的な地域再開発も行っている。