日航は現在、競争環境を適正化するために国土交通省が12年に公表した「8.10ペーパー」と呼ばれる文書に基づき、新規投資や路線開設が原則自由にできない。17年3月末で効力が切れるが、国交省はこれまでの発着枠配分によって「不適切に(競争環境が)ゆがめられている恐れは一歩一歩払拭されている」(石井啓一国土交通相)としてさらなる措置の導入に慎重な立場を崩していない。同ペーパーのとりまとめを主導した自民党議員も静観の構えだ。こうした空気を察して日航は10月、さっそく羽田-ニューヨーク線を来年4月に就航させる方針を決めた。
ANAは20年の発着枠増加に関し「格差是正」を掲げて従来のような傾斜配分を引き続き求めていく方針だが、日航は「もう4年以上、(同ペーパーの)趣旨を理解し経営してきた」(植木義晴社長)として反対している。日航は高収益の要因に関しても、人件費の削減など自助努力の部分が大きいと主張しており、国交省は今後、難しい判断を迫られそうだ。