アサヒ、旧SABの東欧買収 来年上期めど8900億円 海外巻き返し (1/2ページ)

 アサヒグループホールディングス(HD)は13日、ベルギーのビール世界首位アンハイザー・ブッシュ・インベブの東欧5カ国のビール事業を、2017年上期をめどに買収することで合意したと発表した。買収金額は約8900億円で、日本企業による海外ビール事業の買収案件としては過去最大となる。ビールの国内市場が縮小する中、アサヒは競合他社と比べて出遅れた海外事業の巻き返しを図る狙いだ。

 対象はインベブに買収された英大手の旧SABミラー傘下のハンガリーやポーランド、チェコ、スロバキア、ルーマニアのビール事業で、チェコの人気ブランド「ピルスナーウルケル」が含まれる。買収額は当初、5000億円規模とみられていたが、欧米の投資ファンドなども入札に参加したことで、激しい争奪戦の末に金額が膨らんだ。

 買収した事業の売り上げ規模は2000億円。各国でのシェアはスロバキアの2位を除き、4カ国で首位。高いシェアを背景に安定した収益を稼ぎ出せると判断し、買収に踏み切った。アサヒの15年12月期の海外売上高比率は13%だが、今回の買収などで24%にまで高まる見通しだ。

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