日本の新幹線技術、各国で採用相次ぐ 「夢の超特急」半世紀を経て世界牽引 (1/2ページ)

2017.1.1 06:10

「国際高速鉄道協会」が開いた国際フォーラム。右端は発言するJR東海の葛西敬之名誉会長=昨年11月、京都市
「国際高速鉄道協会」が開いた国際フォーラム。右端は発言するJR東海の葛西敬之名誉会長=昨年11月、京都市【拡大】

 世界各国の高速鉄道計画で、日本の新幹線技術の採用が相次いでいる。安全性や定時運行、快適性を高次元で融合した総合力が、新興国を中心に高い品質を求める需要と合致。台湾を皮切りに米国、インドでも導入が決まったほか、昨年はタイでも閣僚間での覚書が交わされた。高速鉄道計画は今後もアジアを中心に大規模プロジェクトがめじろ押し。日本の高度経済成長を支えた「夢の超特急」は半世紀を経て、世界経済を牽引(けんいん)し始めている。(佐久間修志)

正確・安全性を評価

 「高速鉄道は夢のようなものだったが、それを日本が現実にしている」

 京都市で昨年11月、世界の主要な高速鉄道関係者約280人が出席したフォーラムで、マレーシア陸上公共交通委員会のサイド・ハミド・アルバ議長は日本の新幹線技術を手放しで褒めちぎった。主催した国際高速鉄道協会の宿利正史理事長は「議論は日本の新幹線の利点から、(新幹線の優位性を前提に)日本の経験を世界の変化にどう生かすかに移っていた」と隔世の感を口にする。

 新幹線に対する高い評価は、海外の高速鉄道計画で次々と採用が決まっていることからもうかがえる。2007年に台湾での初採用を皮切りに一昨年は米テキサス州(ダラス-ヒューストン)、インド(ムンバイ-アーメダバード)での導入が決まった。昨年8月には、石井啓一国土交通相とタイのアーコム運輸相が同国の首都バンコクと北部チェンマイを結ぶ路線で、新幹線導入へ協力する覚書を交わした。

 時刻表通りに運行するなど高い正確性に加え、運行による乗客の死亡事故はゼロ。東日本大震災の際も脱線しなかった。折り紙付きの技術だけでなく、高品質ゆえに不利に働きがちだった初期費用の高さも、最近では運営や保守まで含めた中長期的コストを重視する流れで「必要な投資」との認識に転換しつつある。

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