
民営化に伴い「仙台国際空港」という会社名が貼られたターミナルビル=昨年11月16日、宮城県名取市【拡大】
先行者の利得目指す
東山社長の前職は、前田建設工業の事業戦略本部副本部長。「欧米の建設会社でも仕事の中心がインフラ整備から管理・運営に移っている。コンセッションへの参加は、自ら事業主体になる『脱請負』を掲げる前田の戦略であり、『先行者の利得』を目指します」
“自前”の道路を持てば、どのタイミングに修繕すると維持管理や更新のコストを最小化できるのかデータを集めることもできる。「一般道路の管理の仕事を自治体から受けることにも将来、役立つはずです」と先を見据えている。
滋賀県大津市は昨年11月、西日本一料金が安いといわれる市のガス事業の一部を2019年4月から民営化する方針を公表、電気やガスなど15社から関心がある旨の表明があった。市と民間が出資する官民連携の会社が、小売りや導管の保守管理などを行う仕組みを想定する。
「17年4月からのガス小売りの全面自由化で、この地域に進出する企業があるかもしれない。電気など他のエネルギーとのセット割引など、公営企業ではできない新サービスが入ってくれば太刀打ちできない」と危機感を募らせた結果だ。
だが課題もある。奈良市は上下水道の民営化を進める条例案を昨年の3月議会に提出したが、同意は得られなかった。説得できるだけのメリットを示すことができるかが、自治体にとっての最大の課題だ。