世界初、抗がん剤の効果を動画で「見える化」へ コニカミノルタ新技術開発 待望の発明 (1/2ページ)


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 精密大手のコニカミノルタが、抗がん剤の創薬に役立つ映像技術の開発に着手したことが31日、分かった。がん細胞に抗がん剤が攻撃を仕掛ける様子を動画で詳細に観察できる世界初の技術になるという。薬の効果の有無を確認しやすくして、創薬のスピードアップにつなげる。

 2019年にも実用化し、日本や欧米の大手製薬会社への販売を目指す。

 がん治療では、がん細胞の増殖や転移の原因となるタンパク質を狙い撃ちするタイプの抗がん剤の開発が活発になっている。「分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)」と呼ばれ、副作用が抑えられやすいとされる。免疫力を高めてがんを攻撃する「オプジーボ」もこの種類に入る。現在、世界で300種類以上が開発中という。

 ただ製品化では、分子レベルでの検証が必要で、臨床試験(治験)で効果を証明できず、計画が頓挫してしまうケースも増えていた。コニカミノルタの技術は、抗がん剤の働きを動画で確認でき、証明しやすくする。

 抗がん剤とがんのタンパク質をそれぞれ、蛍光色に染める試験薬を開発。すでに超解像顕微鏡などで、ヒトのがんの培養細胞内で抗がん剤が働く様子を約30分間にわたり、撮影することに成功した。抗がん剤が悪性のタンパク質に取り付くように攻撃する動きが確認できたという。

「待望の発明」