
ソフトバンクグループの孫正義社長【拡大】
回線の相互接続をめぐって争っていた、格安スマートフォンを手掛ける仮想移動体通信事業者(MVNO)の日本通信と、ソフトバンクが“和解”した。日本通信は1日、ソフトバンクと相互接続協定書を締結し、同社のiPhone(アイフォーン)契約者向け格安SIMカードの提供を始めると発表した。総務省の委員会が日本通信の主張を認めたことを受け、ソフトバンクが折れた形だ。(大坪玲央)
日本通信が3月22日に提供するソフトバンク契約者向け格安SIMカードを使うと、最新のアイフォーン7など、同社がSIMロック(自社回線以外で使えなくする仕組み)をかけたスマホも格安料金で利用できるようになる。日本通信は、ソフトバンクの回線を使った格安SIMカードが広まれば、「比較的短期間で、携帯電話契約者全体の中でMVNOの占めるシェアは倍になる」との見通しを示す。
日本通信はこれまで、NTTドコモの回線を使ったサービスを手掛けている。日本通信はソフトバンクに対しても回線の相互接続とSIMカードの提供を求めたが拒否されたとして総務省に申し立てた。