
阪神キャンプで、江越大賀(左)、板山祐太郎(右)にサインを求めるファン=12日、沖縄県の宜野座村野球場【拡大】
今年はさらに進化、キャンプ地巡りの情報サイト「BASEBALL CAMP IN OKINAWA 2017」が開設された。沖縄でキャンプをはる9球団の練習スケジュールやメニュー、球団や選手に関する情報を提供。SNSを活用する若い層にアピールしている。
さらに飲食店とコラボして「野球基地」を設置、キャンプ見学に訪れたファンに情報や交流の場所を提供している。もちろん、沖縄グルメを堪能してもらおうとの欲ばった試みだ。
これらを企画したのは、沖縄県文化観光スポーツ部スポーツ振興課。県を挙げて、スポーツと観光の融合効果をねらうスポーツ・ツーリズムである。
沖縄のプロ野球キャンプについては、琉球銀行のシンクタンク、りゅうぎん総合研究所が毎年6、7月ごろに経済効果を発表している。昨年は100億400万円と史上初めて100億円台に乗せた。オープン戦を含めた観客も33万2000人と前年より2万500人増加した。
今年の発表が楽しみだが、県を挙げた取り組みが奏功すれば観光拡大がさらに期待できる。
◆観光への効果絶大
一方、宮崎では日南で広島、南郷で西武もキャンプをはるほか、サッカーのJリーグや韓国プロ野球のキャンプも少なくない。宮崎県は昨年、県内で行われたキャンプによる経済効果を144億6700万円と算出。ここも過去最高を記録した。
プロ野球やJリーグによる観光への波及効果は絶大と証明されたわけで、それが県や市を挙げた取り組みに結びついたと考えていい。宮崎市では、巨人が沖縄・那覇に2次キャンプを移した後も、WBC日本代表「侍ジャパン」がキャンプを予定する。力の入れ方が違うのも無理ないだろう。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、スポーツによる地域の活性化を目指す地方自治体は少なくない。しかし、具体的な方策、手段を持つ自治体はそう多くはない。沖縄や宮崎は別格で参考になるかは分からない。ただ、取り組む姿勢で変わることも多い。
スポーツと観光の融合、いわゆるスポーツ・ツーリズムは地元にどのようなスポーツ資源、観光資源があるのか、見極めることから始まる。積極的に活用することが何かを変える。実は沖縄や宮崎も、試行錯誤の末、現在に至ったのだった。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)