
日本シリーズ第3戦、延長十回、サヨナラ安打を放った日本ハム・大谷翔平=25日夜、札幌ドーム(高橋茂夫撮影)【拡大】
チームの苦境を救ったのは、やはりこの男しかいなかった。二転三転とする終盤の試合展開に終止符を打ったのは、日本ハムの大谷だった。
3-3の同点で迎えた延長十回2死二塁。チームの勝利の思いを乗せた大谷の打球は一、二塁間を抜けた。この日3本目となる安打は、今シリーズでチームに初白星をもたらす値千金のサヨナラ適時打。「なかなか点は取れなかったけど、あしたにつながる勝ち方だと思う」。満員の札幌ドームの大歓声が、背番号11を包みこんだ。
広島先発・黒田との初対決では「打者・大谷」のすごみを存分に示した。一回の第1打席では三塁線を破る二塁打を放ち、先制点を演出。四回の第2打席でも右中間を破る二塁打を放った。「(黒田は)個人的にはすごく勉強させていただいた投手」と敬意を示しつつも「すごく楽しく、打席でパフォーマンスができた」と胸を張った。
先発マウンドに上がった第1戦では6回3失点で降板。連敗のきっかけになった投球に責任を感じていた。「自分のふがいない投球で負けてしまったので、取られた分の倍くらいは取り返したいという思いで打席に立っている」。雪辱への強い意志が凝縮された3安打だった。
第2戦まで適時打が1本もなかった日本ハムだったが、この日は中田にも適時打が飛び出すなどレギュラーシーズン中の勝利の形がようやく戻ってきた。「しっかりと地に足を着けて戦う」と栗山監督。反撃態勢は整った。(浅野英介)