
日立製作所の中畑英信執行役常務(左)に、要求書を手渡す日立労組の坂本達哉中央執行委員長=16日、東京都千代田区【拡大】
2017年春闘交渉の電機大手の労働組合による要求が16日、出そろった。電機大手の交渉は日立製作所やパナソニックなど6社が主導するが、経営再建中の東芝を除く5社が昨年に続き、ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として月3000円を要求した。英国による欧州連合(EU)離脱決定や米トランプ政権の誕生で、事業環境は不透明感が増している。昨年並みの1500円を維持するか、1000円まで下がるかが交渉の中心になりそうだ。
日立労組の坂本達哉中央執行委員長は16日、中畑英信執行役常務に要求書を手渡した。パナソニックや三菱電機、富士通、NECの労組も16日までに要求書を提出。ベア要求は4年連続で、昨年に続き月3000円となった。
電機大手の春闘は組合の要求や経営側からの回答額をそろえる「統一闘争」を実施しているが、主要6社の一角を担う東芝労組は、米原発事業で7125億円の巨額損失が生じて経営危機に陥っているため、ベア要求は2年連続で見送ることを決めた。要求提出日は未定としている。
鴻海(ほんはい)精密工業の傘下に入り、経営再建中のシャープも統一闘争と歩調を合わせるのは困難と判断。一時金4カ月を要求したが、ベア要求は8年連続で見送った。
米大統領選後の円安を受け、日立、パナソニック、三菱電機の3社は17年3月期の連結業績予想を上方修正したが、世界経済の先行きの不透明感への懸念は強い。日立は3年連続のベア実施で人件費が180億円増えたといい、「支払い能力も見ながら総合的に判断する」(中畑氏)考えだ。要求の回答は自動車大手の労組と同じ3月15日を予定している。