
日産自動車のカルロス・ゴーン会長(AP)【拡大】
脱・カリスマ頼み
ライバルの背中を追う中、3社連合はさらなる成長を目指して「規模による競争優位性を(各社に)享受させる」(ゴーン氏)。生産や調達を共同で行うことで費用低減につなげるほか、投資負担の大きい自動運転やEVという次世代技術の開発でも部品の共通化などで規模拡大の効果を生かせるかが課題になる。そのためゴーン氏は日産での権限を一部委譲し、連合全体を見渡す立場から世界市場での競争力の引き上げを目指す。
だが、連合がうまく機能するのは、「3社のトップを兼務してきたゴーン氏のカリスマ性が大きい」(業界関係者)。西川氏は「日産が好業績を上げ、アライアンスに貢献していく」と強調するが、今後は後継者として求心力を発揮できるかが問われる。
ゴーン氏が規模拡大を追求する中、いかに連合各社の経営を担う人材を育成できるかが成長のカギになりそうだ。(会田聡)
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【プロフィル】西川広人氏
さいかわ・ひろと 東大卒。1977年日産自動車。代表取締役などを経て2016年11月から共同最高経営責任者。