
マテリアルワールドの矢野莉恵氏(左)【拡大】
--それはどうしてですか
「初めは個人と個人を結ぶマーケットプレイスとしてスタートしたのですが、私たちが意図していたような高級ブランド品を掲載する人がほとんどいないことに気付いたんです。H&MやZaraといったファストファッションの写真ばかりが投稿されていました。ユーザーのほとんどはミレニアル世代で、持ち物の写真を撮ってクローゼットの中身を公開することに抵抗のない世代でした。でも、ブランド品をクローゼットにたくさん持っているような人は、自分で写真を撮ったり掲載したりしなくても、サービス提供側が何もかもやってくれることを求めていました」
--ブランド品ばかり持っている人は恐らく忙しくて、年齢も上の傾向にあるでしょう。クローゼットの中身を処分しようと考えるときに、それを売ったらいくら手に入るかは後回しで、プロセスが分かりやすくて楽な方を望むということですね
「その通りです。そこで、売り手が一番便利なサービスをつくろうということで、今の宅配便での下取りを始めました。そのときに最も重要だったのが、私たちが売り手から洋服を買うということでした。そうすれば、売り手は買ってくれるかもしれない人のために写真を投稿したり、梱包(こんぽう)や送料のことでいろいろと考えたり、アイテムが売れたかどうか心配したりしなくても済むからです。キットに入れて送るだけで、査定後すぐに買い取り価格の確認ができてカードに入金される。そのシンプルさが私たちの特徴です。私たちが在庫を持つことで、面白いことも起こりました。買い手にとっての大きな心配ごとが解決できたんです。模造品です。専門家が査定して本物と証明したものを売りますから、買い手は安心して買い物ができます」