
ホンダのF1総責任者、長谷川祐介氏=2016年12月、東京都港区【拡大】
ホンダがエンジン供給者として参戦する自動車レースの最高峰「F1」が24日にオーストラリアで開幕する。2015年に7年ぶりに復帰してから2年間は、開発の遅れが響き最高5位と低迷。F1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏は3年目の挑戦でかつての強さを取り戻し、復帰後初の表彰台獲得を目指す。
昨年は6位に浮上
「進化を遂げ、先頭集団に追い付くことが目標だ」。2月24日、イギリスで開いた17年の新型マシン初公開の場で、登壇した長谷川氏はこう力を込めた。
今季にかける思いの強さはこれまでの不振の裏返しだ。15年はエンジントラブルが多発し、全19戦のうちポイント圏の10位内はチーム2台で計6回のみ。チーム順位も9位と、下から2番目に沈んだ。
主因は14年の大幅なルール変更にある。エンジンは従来の排気量2.4リットルから1.6リットルと小型車並みになった。一方で、ブレーキや排気熱のエネルギーから発生する電気で回すモーターの出力は2倍に上げ、最高時速300キロ超で90分以上の走りを可能にしている。
このハイブリッド技術に対し、他チームは14年当初から導入したが、1年遅れで参戦したホンダは「(開発)時間が足りなかった」(長谷川氏)。その結果、エースのアロンソ選手が「(1階級下の)GP2のエンジンだ」と酷評する出力不足に悩んだ。