人を切らないトヨタの家訓「金を使わず知恵を出せ」 背景にたった一度の痛恨事件 (1/5ページ)

2017.3.12 13:09

2009年にトヨタ自動車11代目社長になった豊田章男氏。6代目社長の章一郎氏の長男。祖父はトヨタグループ創始者である佐吉の長男で、2代目社長の喜一郎氏。(写真=アフロ)
2009年にトヨタ自動車11代目社長になった豊田章男氏。6代目社長の章一郎氏の長男。祖父はトヨタグループ創始者である佐吉の長男で、2代目社長の喜一郎氏。(写真=アフロ)【拡大】

 豊田家は創業の地である三河という風土の影響を受け、基本的には地味な家風だと言われています。トヨタの本社は愛知県にありますが、自分たちは派手な尾張ではない、非常に質実剛健な三河者であるという考えが今もしっかりと生きています。

 1000億の見積もりを300億にする知恵とは?

 トヨタは「人を切らない」ことで知られています。バブル崩壊後、日本企業の多くは「リストラ」という名のクビ切りを行うことで利益を生み出しましたが、トヨタはたった一度のクビ切りを除いて今日までリストラを行っていません。それは1950年の苦い経験があるからです。その年、トヨタは倒産の危機に瀕し、銀行から融資を受ける代わりに豊田喜一郎の社長退陣と、1600名の解雇を行った。これは「社員は家族であり、会社の宝である」と従業員を家族のように大切にする「温情友愛」を旨とした喜一郎にとっても、トヨタの役員にとっても痛恨の出来事でした。以来、トヨタは危機に陥らないように努力を続けています。

 この考えをトヨタに徹底したのが、喜一郎に代わって社長に就任した石田退三です。石田には「自分の城は自分で守れ」という有名な言葉があります。国の助けなどに頼るのではなく、自主独立、自力邁進で道を開くという考え方です。それが資金面においても徹底され、ムダを省いて自前の資金を蓄えた結果、「トヨタ銀行」と呼ばれるほどの豊富な資金力を持つことにつながったのです。

「えっ、これが本社?」…お金に困った苦労が今も身に沁みている

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