“マツダ地獄”から“マツダ天国”へ 悪夢の輪廻断ち切った「CX-5」 (2/6ページ)

2017.3.26 13:15

第6世代の集大成として2巡目のトップバッターとなった新型CX-5。約1ヶ月で目標の約7倍となる1万6639台を受注した
第6世代の集大成として2巡目のトップバッターとなった新型CX-5。約1ヶ月で目標の約7倍となる1万6639台を受注した【拡大】

  • マツダの変革の最初の狼煙は初代CX-5だった。エンジンから始まり、ようやくシャシーまでがSKYACTIV化されたフルSKYACTIVの第1号として2012年に登場した
  • 1989年に、突如ライトウェイトスポーツカーというジャンルを復活させた初代ロードスター。当時はユーノス・ブランドで販売されていた
  • ブランド価値向上の勘所として、3年後の買取価格を55%に設定。3年後に再度ローンを延長するか、現金決済するか、クルマを引き渡すかが選べる(出典:マツダWebサイトより)
  • ディーラーそのものも新世代へ移行している
  • 黒を基調にした新デザインに改められたディーラー。外観も内装もこれまでのイメージを刷新した

 そうなると、仮に新車から5年乗って「そろそろ新しいクルマに……」と思っても、下取り価格が低くて買い換えを躊躇(ちゅうちょ)するユーザーも一定数出てくる。元々が新車値引きに釣られて買ったユーザーなので、経済的にもあまり豊かとは言えない。そういう人が低い下取り価格に直面すれば「もう少し乗るか」という判断になりがちだ。

 そうやって年式がどんどん落ちていき、さらに査定額が下がる。結局買い換えの踏ん切りが付くのはもうクルマの商品としての寿命が尽きた後。そんなときに下取り車に何とか値段を付けてくれるのはメーカーが下取り促進費を負担するマツダだけ。だからまたマツダになる。そして手元不如意のためまた大幅値引きを要求する。

「ずっとマツダに乗ってくれるならいいじゃないか」と言えないのは、それが常に強い値引き要求と買い換えサイクルの長期化という問題を含んでいるからだ。デフレスパイラルにも似たネガティブな輪廻が繰り返されており、長期的に見ればユーザーも販売店もメーカーも誰も得をしていない。

 この地獄を脱出しない限り、マツダに未来はなかった。先代CX-5から始まる第6世代商品群は、この問題に真剣に取り組むことからスタートした。それがマツダの言う「ブランド価値の向上」だ。「どこでも聞くような標語だなぁ」と当時は思っていたが、そうではない。例えば、余命宣告された人が「健康は大事だよ」と静かに言うような覚悟と思いの込められた言葉だったのである。マツダの「ブランド価値の向上」はハイファッション・ブランドの人たちが言うようなスカした抽象論ではなく、ビジネスの根幹にあるクルマの販売を根本的に改革することこそが目的である。

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