【高論卓説】米WH破産法申請の狙い 複雑買収で損失隠し? 東芝に責任は (3/3ページ)

東芝本社が入る浜松町ビルディング=東京都港区芝浦(斎藤浩一撮影)
東芝本社が入る浜松町ビルディング=東京都港区芝浦(斎藤浩一撮影)【拡大】

  • 東芝の海外連結子会社、ウェスチングハウス・エレクトリック社が破産法適用を申請。会見冒頭、紹介を受け頭を下げて挨拶する東芝の綱川智社長=3月29日、東京都港区(川口良介撮影)

 WHはS&Wを取得したタイミングに合わせ、サザン電力、スキャナ電力と、米国のプロジェクトに関する全ての未解決のクレームと係争について和解することで合意した。

 なぜ巨額の偶発債務を抱えていたS&Wを、リストラのさなかにあったWHが買収したのか。こうしたプロセスを見ていくと、知らなかったとは考えにくい。これまで表に出せなかったWHの損失をS&Wののれん代にまぶして表にこっそり出すためにこの買収が仕組まれたという疑いも出てくる。

 東芝は2度にわたって延期した16年第3四半期(4~12月)の決算を11日に発表するというが、果たしてこのような状態で発表できるのか。まだまだ波乱はありそうだ。

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【プロフィル】松崎隆司

 まつざき・たかし 経済ジャーナリスト。中大法卒。経済専門誌の記者、編集長などを経てフリーに。著書は「堤清二と昭和の大物」「どん底から這い上がった起業家列伝」など多数。54歳。埼玉県出身。