
注文する人が多いのは320円の「ラーメン」(スガキヤ公式サイトより)【拡大】
「おふくろの味」に象徴されるように、子供時代に親しんだ味は、大人になっても強烈な印象として残っているものだ。名古屋人とスガキヤの関係もそれに近い。
「小さい頃、当店を利用された方も、大学生や社会人になると利用されなくなることが多い。でも面白いもので、年を重ねると同じ人が再び利用される例も目立つのです」(菅木氏)
このあたりはマーケティング的には「ノスタルジー消費」というべき現象だ。身近な食べ物でいえば、スーパーやコンビニで手軽に買える「家庭用アイスクリーム」がこれに近い。家庭用アイスは近年、団塊世代の消費が増えており、昭和時代からのロングセラーブランドも多いからだ。
実はスガキヤについて、首都圏在住の東海3県出身者に話すと、「近くにあれば行ってみたい」という声をよく耳にする。前回紹介したように、首都圏の店舗からは撤退したスガキヤだが、もし再進出すれば、こうした層を中心に一定の客数が確保できるように思う。(経済ジャーナリスト 高井尚之=文)
高井尚之(たかい・なおゆき)経済ジャーナリスト・経営コンサルタント
1962年名古屋市生まれ。日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆多数。近著に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(プレジデント社)がある。これ以外に『カフェと日本人』(講談社)、『「解」は己の中にあり』(講談社)、『セシルマクビー 感性の方程式』(日本実業出版社)、『なぜ「高くても売れる」のか』(文藝春秋)、『日本カフェ興亡記』(日本経済新聞出版社)、『花王「百年・愚直」のものづくり』(日経ビジネス人文庫)など著書多数。(PRESIDENT Online)