一方でLINEは、「LINEを使って何でもできる」(出沢剛社長)という“スマートポータル”の実現を目指しており、両者の狙いが一致した格好だ。
ただ、情報セキュリティーをめぐっては昨年、タレントらの不倫騒動で週刊誌にLINEでのやり取りが掲載。また、iPhone(アイフォーン)版では、第三者にアカウントを乗っ取られてやり取りを盗み見られる可能性がある不具合があり、LINEはこれを修正した。同社は6月9日を「サイバー防災の日」と定め、乗っ取りの被害を疑似体験できる動画を公開するなど、注意喚起を進めている。
政府関係者は「セキュリティーの面から、マイナンバーでのもう一段の連携は難しいのではないか」と指摘する。
LINEは東京都渋谷区や福岡市と連携しているが、まだ、行政側からの情報発信が主で、アプリでの行政手続きには至っていない。LINE側からみても、スマートポータルの実現には、サービスの活用事例を増やす地道な取り組みとともに、情報流出懸念の払拭が必要だとみられる。(高橋寛次、大坪玲央)