
ソフトバンクグループの株主総会で、議長として今後の経営方針について説明する孫正義社長=21日、東京都千代田区(高橋寛次撮影)【拡大】
昨年の株主総会で退任を表明したニケシュ・アローラ元副社長に代わる孫正義社長の後継者問題は、今年の株主総会でも株主からの関心を集めた。
「孫社長が倒れたらどうするのか。事業を拡大する中で非常にリスクがある。今日も風邪をひいているが」と株主が質問すると、孫社長は「後継者問題は大事な点だが、原則として、われわれのグループの中で、5年、10年、ソフトバンクの経営の重要な役割を担って、十分に気心が知れて、十分に同じ方向に経営を引っ張ってくれる、能力的、人格的に優れた人物を後継者として指名しないといけないと思っている」との基本方針を示した上で、「すぐにできるということではなくて、これから10年間かけて、しっかりと課題として取り組みたい」と述べ、60歳になる今年から、60代でいるうちに後継者を選ぶ考えを明かした。
さらに後継者についての質問は続き、ソフトバンクが平成22年に開校した後継者の育成や発掘を目的とした「ソフトバンクアカデミア」の取り組みについて聞かれると、孫社長は「われわれのグループの中で役員や社長として活躍するメンバーが(アカデミアから)生まれてきています。やってよかったなと思っています」と述べた。