
東芝株主総会始まる。会場に入る株主=28日午前、千葉・美浜区の幕張メッセ(酒巻俊介撮影)【拡大】
株主「東証2部降格の理由は何か。いきなり降格のニュースが出た感じだが、降格は会社の成長の阻害要因になる。名誉毀損(きそん)で訴えたいぐらいだ」
橋本上席常務「東証の規則で、株主資本がマイナスの会社は1部ではなく、2部になるとの規定がある。通常は、有報が提出された段階で判断するが、弊社の場合は提出が遅れていて、今の予定では8月10日に設定されている。公表済みの業績見通しで、(今年3月末の)株主資本がマイナスになること(債務超過)が確定していたので、降格の判断となった。来年3月までにプラスにならないと上場廃止になるので、半導体子会社の売却などで解消する。特注銘柄の審査に対し、しっかりした結果を出したい」
株主「半導体子会社の売却について。IBD連合(日米韓連合)には韓国メーカー(SKハイニックス)も入っていると報道されているが、先ほどの説明では触れられなかった。その理由と技術流出の心配はないのかを説明してほしい」
成毛康雄副社長「米投資ファンドのベインキャピタルが設立する特別目的会社(SPC)に融資する形でSKは参加しているが、議決権は持たない」
株主「WHを買わなければ粉飾決算(不正会計)もなかったし、家電事業の売却もなかった。原発という大変な事業は東芝1社でやるべきでない。輸出から撤退し、社会インフラ中心の会社になることをもっと徹底しないといけない。優秀な技術者を、社会のために活用するという姿勢が大事だ。すでに米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスはその方向へ舵を切っている。(創業から)140年で培った力をもう一回発揮してほしい(会場から拍手)」