例えば、部下が安定保障・公私調和型の場合、上司が目標達成や地位権限型だからといって、「休日返上で徹夜して目標達成して、昇給・昇格を狙おう」とげきを飛ばしても逆効果だ。部下が自律裁量型で、上司が安定保障型で心配性だからといって口を出しすぎる「マイクロマネジメント」をしてしまっては、部下を憂鬱な気分にさせてしまう。
安定保障・公私調和型の部下には、「勤務時間や休日の計画も立てながら、期限までにこの目標を一緒にやり遂げよう」と言った方が、はるかに部下のパフォーマンスは高まる。自律裁量型の部下には、「任せたぞ。気になることがあれば、いつでも言ってきていいのだぞ」と言えば、さらにやる気が高まる。
こうした、いわば人を見てマネジメントやコミュニケーションをするという技は、かつてはベテランの背中を見て、後輩が受け継いできたスキルのように思える。それが、今日のビジネスシーンでは、とんと見られなくなってしまった。
分解スキル反復演習により、モチベーションファクターに合わせた話法を修得すると、マネジメントやコミュニケーションがしやすくなったという効果が、即座にそれも格段に表れる。