原因の一つが携帯電話だ。以前、「実質0円携帯」が盛んに宣伝された。分割払いで携帯機器を購入し、月々の通信料金を分割払いの支払額と同額割り引くから「実質0円」というのだが、分割払いが認識されにくい広告だ。そこで支払いが滞ると、問題が起きる。毎月の支払いには通信料金と機器の分割払い、つまりクレジットの支払いがある。多くの人は支払いが滞っても携帯が使えなくなるだけと思っているが、実はクレジットの支払いも滞っており、それが登録されてしまう。
登録された情報は他のカード会社も見る。多重債務を防ぐため、個人信用情報をチェックすることを、割賦販売法で義務づけられてもいる。このため支払遅延が登録されると、クレジットカードを作りにくくなる。自動車などのローンを断られる可能性も高まる。
5年間は消えない
登録された情報は、5年間残る。滞っていた支払いを全額払っても、登録情報は消えない。携帯電話の契約は、たとえ未成年でも、親が支払っていても、本人の契約である。もし19歳の大学1年生の携帯料金が分割払いの契約になっていて、支払いが滞ったとすると、そのことが本人の名前で個人信用情報機関に登録され、大学卒業後、就職したときも残っている。