サンマ漁獲枠新設、中韓露と対立 日本の提案実らず NPFC発足2年で早くも壁 (2/2ページ)

 日本のサンマ漁は先細りが顕著だ。北海道釧路市の道東小型さんま漁業協議会の大坂秀実専務によると、漁獲量はここ6、7年、全国的に減少し、同漁協も約10年前2500~3000トンあったのが昨年は約3トンに激減。多くの漁師がサンマを諦め他の魚種に切り替えた。大坂氏は「極端に悪かった」と嘆く。

 日本の沿岸は海水温が上がり、サンマが寄りつかなくなっているが、小型船の日本の漁師は遠洋まで行けず、勝負にならないのが実情だ。

 漁獲量の減少で水揚げ時の単価は上昇。16年の10キロ当たり2131円は11年の2倍近い。スーパーなどの店頭価格も上がり、消費者からは「前は1匹100円しなかったのに最近は高い」(埼玉県鶴ケ島市の女性会社員)とため息が漏れる。

 今後の交渉難しく

 交渉の先行きは容易でない。政府関係者も「なかなかまとまりそうにない」と明かし、中国などの出方次第では、日本の苦境はさらに深まるとの見方を示した。

 東北区水産研究所の木所英昭浮魚・いかグループリーダーは「さまざまな自然要因が考えられ、乱獲だけが原因とはいえない。逆に中国などは『資源が減ったのは日本が取りすぎたからだ』と考えている」と指摘する。

 合意を期待していた国内の産地には失望が広がった。北海道さんま漁業協会の松田一志専務理事は「このままでは一部の漁業者が生活できなくなる。抜本的な対策が必要だ」と訴えた。