
飛び出してきた人を検知し自動ブレーキをかけるマツダのシステム【拡大】
車対歩行者に課題
ただ、現行の安全機能も万全ではない。SUBARU(スバル)独自の運転支援システム「アイサイト」は、自動ブレーキなどの機能を持つ。同システムを搭載した場合、車対車の追突事故の発生率を84%減らす効果があったという。半面、検知が難しい車対歩行者の事故発生率は49%減にとどまった。
このためスバルは、昨年10月に発売した新型「インプレッサ」に、歩行者を保護するエアバッグを搭載した。衝突時に車外のフロントガラス付近でエアバッグが膨らみ、歩行者が頭部を強打するなどの被害が軽減できるという。
各社が安全性能強化の先に見据えるのは自動運転だ。日産自動車は、既にミニバン「セレナ」とスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」に高速道路の同一車線で自動運転が可能な機能を搭載した。トヨタやホンダ、スバルは20年頃に高速道路での車線変更が可能な自動運転技術を確立する計画だ。
人口減少に伴う地方公共交通の縮小に加え、高齢化が進む日本では、今後、自由な移動が困難な「移動制約者」が増える恐れがある。事故のリスクを限りなく減らし、国民の生活をサポートする車の開発は、自動車メーカーの使命にほかならない。(今井裕治)