テクニックよりも、「人」
--経営は創業当初から順調だったのでしょうか。
江見: 最初はうまくいきませんでした。「高電場解凍機」を導入し、事業優位性を作ったところで業績が突然良くなったりしません。
実は、業績が伸びていく過程において、何か特別な戦略を取ったわけではありません。ですから「これをやったら(改善したら)うまくいった」という話はできないのです。
しかし、唯一言えることがあるとするなら、全国展開を加速させた2000年頃に私が考え方を変えたことです。「学歴も人脈も根性もない私がなぜ会社を経営できているのか。それは従業員がいるからだ」と。
以前は少なからずおごりがあったんです。「従業員を雇ってあげている」。そんな気持ちがありました。でも、そうではない。「働いてもらっている」のです。経営は1人では成り立たないことに気付き、従業員が毎日出勤してくれることに感謝できるようになりました。
自分が考え方を改めたことで従業員との接し方(マネジメント)も変わりました。傲慢(ごうまん)な態度で怒鳴り散らすようなことはなくなり、自然な対話が増えました。
不満や不安を相手にぶつけるのではなく、必要なのは、感情を置いて理性的に伝えるべきことを伝えること。多くの組織では「怒る」と「叱る」が混同してしまっているのです。