私の接し方が変わったことで、従業員がこれまで以上に意欲的に働くようになり、組織の機動力、生産性が格段に高まりました。そして02年に100店舗、03年に250店舗と増えていき、業績が上がっていったのです。楽しくやった方が数字も出るし、ストレスもたまらない。仲間との関わり方が一番重要だったわけです。
--テクニックよりも、「人」が重要であるということですね。
江見: もちろん技術を磨いて事業優位性を持つことも経営には必要です。とはいえ、それが最も重要なことだとは思いません。仕事は人の手によって創られるので、どれだけビジネスモデルやテクノロジーが優れていても人が未熟だと経営はうまくいきません。
結局、経営は総合戦。優秀な人材が足を引っ張り合う集団は、凡人が協力し合う集団には絶対に勝てないんです。
「怒らない経営」とは
--江見社長が考える優秀な人材とは何でしょうか?
江見: 優しい人間です。優秀な人材は、協力し合う組織やチームの中心にいます。そうなるためには、やはり人に好かれなければいけません。よく「嫌われることを怖がるな」なんて言いますけど、私は共感できない。嫌われても仕方がないこともあるのは否定しませんが、嫌われることは極力避けるべきだと思います。
私が最終的に行き着いたのは「怒らない経営」です。人間である以上、誰だってミスをしてしまうことはあります。私もそうです。だからこそ、怒らない。怒ったところで、状況が好転することなんてありません。ミスがあっても一緒に解決策を考えてあげればいいのです。そうすれば人はついてきます。