「ななつ星」のJR九州、発足30年 リーマン・ショック余波の中で目指した世界最高の旅 (2/3ページ)

「ななつ星in九州」は沿線住民の歓迎が大きな魅力になっている
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  • 平成24年7月の豪雨で、豊肥線のトンネルから押し流されたレール
  • 「SL人吉」プロジェクトに取り組んだメンバー
  • 全線開業が間近に迫り、九州新幹線のホームに大勢の人が集まった。実際の開業は東日本大震災の発生翌日ということで祝典を取りやめた
  • 株式上場を果たした平成28年10月、東京証券取引所には歴代社長らが集まった

 SL復活、観光列車…あふれるアイデア

 手掛けた列車は「ななつ星」だけではない。熊本-人吉を走る「SL人吉」は、引退していた大正時代製造の蒸気機関車(SL)を、観光列車としてよみがえらせた。実現にOBらが集結した。古い図面を頼りに、部品の加工やボイラーの修復に汗を流した。

 観光列車「指宿のたまて箱」は、九州新幹線全線開業(平成23年)の効果を広げた。日南線の「海幸山幸」などは、その土地ゆかりの物語を味わえる。JR九州はD&S(デザイン&ストーリー)列車と呼ぶ。

 熊本地震…災害との闘い

 トンネル付近で、とぐろを巻くレール。平成24年7月、九州北部を豪雨が襲った。水圧によって豊肥線のレールが、何十メートルにもわたって押し流された。

 今年7月にも同じ北部九州を豪雨が襲った。大分県日田市の久大線で、鉄橋が流された。復旧作業は今も続く。

 鉄道運行は、災害との闘いでもある。

 昨年4月、熊本地震で九州新幹線の回送列車が脱線し、橋脚なども損傷した。

 前例のない復旧作業だった。車両を再びレールに載せる「載線」に挑んだ。ジャッキで車両を持ち上げ、傾斜したレールに戻した。過去の在来線での復旧作業を生かし、成功させた。

海外にも進出、挑戦は続く