池上彰氏が語る、マックと吉野家に共通する「成功の本質」と「やってはいけないこと」 (2/6ページ)

池上彰・東京工業大学特命教授(右)。映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』トークイベントの様子
池上彰・東京工業大学特命教授(右)。映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』トークイベントの様子【拡大】

 メニューを絞った「選択と集中」

 ビジネスの視点でいえば、すでに60年以上前から「選択と集中」として、「単品経営」を実現していたことに気づかされます。

 1954年にレイ・クロックが見た当時の「マクドナルド」は、ハンバーガーのメニューはたった2種類。15セントの「ハンバーガー」と19セントの「チーズバーガー」しかありませんでした。「フライドポテト」がハンバーガーと同じ15セント。そして「ソフトドリンク」が10セント、「ミルクシェイク」が20セント、「コーヒー」が1杯5セントで、これがすべてのメニューでした。あれもこれもと広げるのではなく、メニューを絞って作業効率を高めていたのです。

 マクドナルド兄弟の店は店内も清潔に保たれていましたが、後にレイ・クロックがFC(フランチャイズチェーン)展開した後、やる気のないオーナーの店では、店内にゴミが散らかっていた。それを見たクロックが怒りながら片づける--。現在の我々から見れば当たり前ですが、当時はそうではなかった。

 クロックは無意識のうちに、飲食店にとって大切な「QSC」(Quality=品質、Service=サービス、Cleanliness=清潔・清掃の頭文字)や「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を実践していたのです。画期的なシステムというのは、後世になって評価されるのですが、当人は必死になって取り組んでいました。

池上氏が実生活で記憶する吉野家の失敗

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