KURADASHIを立ち上げた関藤竜也さん。大量の食品廃棄を解決しようと起業した【拡大】
2015年2月にスタートしたKURADASHIは、現在、取引メーカーが350社、登録ユーザーが3万8000人を数え、急成長中。このサービスを立ち上げたグラウクス社長の関藤竜也さんに話を聞いた。
「食品メーカーが抱える余剰在庫の行き先は、大別すると3通りになります。ディスカウントストアでの安売り、社内販売やファミリーセールなどのクローズドマーケットでの販売、そして廃棄です。価格比較サイトの出現によりディスカウンタールートでの販売に不都合をきたし、その上ここ数年でSNSが普及してクローズドマーケットの情報が一般に拡散してしまう傾向も加わり、メーカーも頭を悩ませています」
▽食品業界悩ます“3分の1ルール”
余剰在庫の安売りは、買う側にはありがたいが、メーカーはブランド価値が崩れることを恐れて、どうしても廃棄の道を選んでしまう。また、ワインなど賞味期限が明記されていないものでも、保管には倉庫代がかかるので、早めに処分してしまうケースが少なくない。その結果、ますます廃棄量が増えてしまうという悪循環を辿っているのが現状である。
日本国内で廃棄される食品は、年間623万トン(16年)にも上り、半分は一般家庭から、半分はメーカーなどの事業者から排出されている。
大手商社で食品流通に携わっていた関藤さんは、こうした大量の廃棄食品を目の当たりにして、何とか減らすことはできないかと考え始めた。そしてこの問題に取り組むことを決意し、起業を決断したのである。