新型iPhoneは「初代以来の飛躍」 高級路線で新戦略 生産態勢に不安の声も (1/2ページ)

 【クパチーノ(米カリフォルニア州)=小雲規生】米IT大手アップルが12日に発表した新製品「iPhoneX(アイフォーンテン)」は競合激化による販売低迷から抜け出すための一手だ。11万円台の価格帯はスマートフォンとしては破格で、低価格帯に力を入れる中国メーカーとの差別化を狙う。ただ、生産態勢を不安視する声もあり、年間2億台以上を売り上げるアイフォーンシリーズの高級化路線が受け入れられるかも不透明だ。

 「初代アイフォーンの発売以来の最大の飛躍だ」

 発表会に臨んだティム・クック最高経営責任者(CEO)は、アイフォーンXの性能に胸を張った。

 10年前に発売された初代はスマホ普及のきっかけとなり、世界の携帯通信のあり方を一変させた。今やアップルの年間売上高約2156億ドル(約23兆7千億円)の約63%はアイフォーンが占める。

 しかしアイフォーンの販売は伸び悩んでいる。2016年に入って販売台数は3四半期連続で前年割れ。また中国市場では地元メーカーとの競争にさらされ、アップル全体の売上高は17年4~6月期まで6四半期連続で前年比マイナスに陥った。

 アイフォーンの爆発的なヒット作は14年に画面を大型化したアイフォーン6シリーズが最後。アップルはアイフォーンXで画面をさらに大型化し、高精度の顔認証など最先端の技術を駆使して消費者にアピールする狙いだ。

供給態勢には不安の声も