今年で20年 撤退相次ぐ「通販型保険」、IT融合で大化けの可能性 (2/3ページ)

ソニー損害保険のカスタマーセンター=東京都大田区(同社提供)
ソニー損害保険のカスタマーセンター=東京都大田区(同社提供)【拡大】

 欧州では自動車保険の4割が通販型の国もあり、関係者はその動向に固唾をのんだが、心配は杞憂(きゆう)に終わる。通販型保険の市場は予想に反して伸び悩んだ。

 通販型自動車保険の販売から撤退したのはアメリカンホームだけではない。同社に続いて外資保険の参入が相次いだが、これまでに計6社が撤退や吸収合併に追い込まれている。

 ■ビッグデータ活用で個人に合った商品

 国内の大手損保担当者は「同じような保険しか売られていなかった日本では、保険を選ぶという意識を持つ人が少ない。ましてや命に関わる保険を、通販で加入することには相当な抵抗があったのだろう」と分析する。日本では自動車ディーラーが保険代理店を兼ねていることも多く、ディーラーが薦める保険に加入することが少なくないという理由もあった。

 シェアは毎年微増

 通販型最大手のソニー損害保険によると、2016年度の自動車保険全体の市場は4兆1587億円で、そのうち通販型は3189億円。通販型のシェアは毎年微増を続けているが、今も7.7%にとどまっているのが実情だ。

 ただ、ソニー損保の担当者は「市場は伸び続けており、シェアは20%程度まで伸びるのではないか」と話す。価格競争だけでは日本人はついてこないといい「いかに安心感を与えられるかが大事」なのだという。

 実際、同社が昨年9月に実施したアンケートで、自動車保険を選ぶ際に重視するポイント(複数回答)を聞いたところ、「保険料」(64.8%)と「事故時の対応力」(64.6%)はほぼ同率だった。同社は、保険会社へ事故の報告をすると、1時間以内に担当者から連絡がくるサービスを手掛けているほか、顧客の口コミをすべてホームページで公開するなど、利用者に安心感を与える工夫にも力を入れる。こうした取り組みが功を奏し、同社の自動車保険は、他の通販型保険に比べて価格は少し高めにもかかわらず、1999年の販売開始から右肩上がりの成長を続けている。

「通販型保険の市場は今後、大化けする可能性がある」