今年で20年 撤退相次ぐ「通販型保険」、IT融合で大化けの可能性 (3/3ページ)

ソニー損害保険のカスタマーセンター=東京都大田区(同社提供)
ソニー損害保険のカスタマーセンター=東京都大田区(同社提供)【拡大】

 こうした中、当初は代理店への配慮から通販型の販売に消極的だった大手各社もグループ内に通販型保険会社を立ち上げ、巻き返しを図っている。

 SOMPOホールディングス(HD)のセゾン自動車火災保険は、綜合警備保障(ALSOK)と提携し、事故が起きた際に同社の隊員が駆けつけるサービスを展開。利用者からは「こわもての事故相手との間に入ってくれて助かった」などと好評という。同様のサービスは東京海上グループのイーデザイン損害保険も10月からセコムと提携して開始している。

 MS&ADインシュアランスグループHDの三井ダイレクト損害保険は、国内外20万カ所以上の宿泊施設などで割引きが受けられるサービスを実施。契約を継続すれば割引率が増す仕組みも導入し、顧客をつなぎ止める戦略に力を入れている。

 別業種からの参入も

 キャピタスコンサルティングの保険アナリスト、植村信保氏は通販型保険の市場について「ゆるやかに増加する傾向は今後も続くだろう。ただ、インシュアテックの技術が進めば、ビッグデータなどを活用し、個人に合わせた個別性の高いサービスや保険が生まれることも考えられる」と話す。

 保険はもともとリスクが高い人も低い人も同程度の保険料を支払う「相互扶助」の考え方で成り立っている。しかし、ビッグデータを活用すると、個人のリスクをより細かく分析することが可能となるため、これまで以上に価格差が生まれ、加入者のニーズに合わせた保険商品の誕生や別業種からの新規参入の促進も見込まれるという。

 幼い頃からインターネットに触れてきた「デジタルネーティブ世代」の保険加入が本格化すれば、今以上に保険を自らが選んで加入する流れは本格化するとみられ、植村氏も「通販型保険の市場は今後、大化けする可能性がある」と話す。(蕎麦谷里志)