柏崎刈羽に6800億円 東電、再稼働へ安全対策 防潮堤やフィルター整備

定期検査中のため燃料棒を取り出し、格納容器も外した東京電力柏崎刈羽原発6号機の原子炉=16日、新潟県
定期検査中のため燃料棒を取り出し、格納容器も外した東京電力柏崎刈羽原発6号機の原子炉=16日、新潟県【拡大】

  • 同7号機に安全対策として設置した注水ポンプ。蒸気タービンを利用し、電源喪失しても炉心を冷却できる=16日

 東京電力ホールディングスは16日、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)を報道陣に公開し、安全対策に計6800億円を投じる方針を示した。柏崎刈羽原発6、7号機は今月、原子力規制委員会の安全審査に事実上「合格」し、再稼働への準備を進める。東電は安全対策に万全を期し、再稼働に慎重論の根強い地元の理解を得たい考えだ。

 日本海に面する海抜12メートルの低地に建つ柏崎刈羽原発6、7号機。地上4階の建屋内には建設資材が並び、着々と工事が進んでいた。地下2階の小さなスペースに置かれた装置を指し、林勝彦副所長は「電源を喪失しても、原子炉の蒸気を利用して注水するポンプです」と話した。

 福島第1原発事故は津波で全交流電源が喪失し、炉心を冷却できずに被害が拡大。東電は事故の教訓を踏まえ、6、7号機の蓄電設備の容量を増やしたほか、注水ポンプも増設した。

 林副所長は「想定を超える事態を考え、多様な対策が必要になる」と語る。

 柏崎刈羽原発は中越沖地震後の耐震補強などに加え、6、7号機の新規制基準への対応として高さ15メートルの防潮堤やフィルター装置などを設置。安全対策費として累計6800億円(計画含む)を投じ、再稼働に向けて前進した。

 ただ、新潟県の米山隆一知事は「県による検証で安全を確認できなければ再稼働の議論はできない」と慎重な姿勢。柏崎刈羽原発の設楽親所長は「(検証に)しっかりと対応したい」と話すが、道のりは依然として険しい。

 東電は6、7号機の再稼働による燃料費の削減効果で、計1000億~2200億円の収益改善を見込む。巨額の賠償・廃炉費用負担を負う中、2019年度にも予定する再稼働が遅れれば経営再建にも大きな影響が及ぶ。

 設楽所長は「福島の責任を果たすため柏崎刈羽原発の役割は重要だ。安全を守り続け、伝えていきたい」と話した。(会田聡)