NHK「ネット同時配信」実現になりふり構わず 新たな受信料あっさり撤回 “方針転換”に伏線 (3/4ページ)

NHKが2019年度の「常時同時配信」開始時に受信料徴収の見送りを表明した総務省の有識者会議。野田聖子総務相(手前右から2人目)も出席した=9月20日、東京・霞が関
NHKが2019年度の「常時同時配信」開始時に受信料徴収の見送りを表明した総務省の有識者会議。野田聖子総務相(手前右から2人目)も出席した=9月20日、東京・霞が関【拡大】

 スケジュールありき

 テレビ朝日の藤ノ木正哉専務は「テレビを持たない層への訴求策としてきた(常時同時配信の)方針が、既存の受信世帯へのサービス向上策に変わった。五輪前に実施したいというスケジュールを最優先したものと思わざるを得ない」と批判した。

 日本民間放送連盟(民放連)の井上弘会長も、検討会の翌21日の記者会見で「スケジュールありきの議論はおかしい」とくぎを刺した。

 その一方、いつのまにか話題にならなくなったことがある。高市氏が「国民・視聴者に還元すべきだ」とNHKに求めていた受信料の値下げだ。

 ■放送法改正へ政治駆け引き激化必至

 昨年11月には、NHKの籾井勝人会長(当時)が月額50円の値下げを打ち出したものの、経営委員会の賛同を得られなかった。

 NHKの受信料収入は6769億円(2016年度)。既に800億円近い内部留保をため込む中、“たった50円”の値下げにも慎重な経営委に、抜本的なNHK改革ができるのかという意見は根強い。

野田聖子総務相は受信料値下げについて積極的な発言はない