北海道美深町。シラカバの木々が立ち並ぶ広大な大地に、SUBARU(スバル)が新設したテストコースがある。スバル研究実験センター美深試験場内に約30億円かけて高速道路や市街地の交差点などを模したコースを再現。11月から、自動運転技術の開発に必要なデータの蓄積を進める。
高速道路を走行中にハンドル、アクセル、ブレーキを制御して前方車両を自動追従できる「アイサイト ツーリングアシスト」に関し、スバルの吉永泰之社長は「事故ゼロの実現と自動運転に向けた進化のワンステップだ」と力を込めた。
運転支援技術をめぐっては、モーターショーでも人工知能(AI)を活用した試作車の展示が目立った。
トヨタの「コンセプト・アイ」は、AIが運転手の表情や声などから心理状態を推定し、支援が必要な場合に自動運転に切り替える機能などを搭載した。
ホンダが世界で初公開した「スポーツEVコンセプト」も、車と一体になったような運転感覚を目指してAIを搭載。三菱自動車のSUVの試作車では、AIが運転者の技能を把握し、運転に関して助言する。
エコカーや運転技術などの革新は、新しい自動車の需要を掘り起こす可能性がある一方、日本の自動車産業にとって、これまでにない危機をもたらす可能性もある。昨秋に三菱UFJモルガン・スタンレー証券が出し、業界で話題となったリポート「非連続イノベーションが自動車産業に迫る100年ぶりの大変革」は「(自動車産業が)今後は大構造変革を迫られる可能性が高く、現在の覇者でも、その強みを維持できる保証はない」と指摘した。