なくなる参入障壁
約3万点の部品を緻密にすり合わせる車づくりの裾野は広く、自動車メーカーは部品メーカーとともに技術を進化させてきた。だが、動力がエンジンからモーターに代われば部品点数が減るとともに参入障壁がなくなり、すり合わせ技術という優位性が失われる懸念がある。米テスラ・モーターズといったEVメーカーだけでなく、グーグルやアップルなどの米IT大手も自動車関連の技術を磨き脅威となりつつある。
トヨタのルロワ副社長は「自動車の衝突回避技術が板金塗装の仕事を奪うなどビジネスモデルが大きく変わる」と予測する。「脱エンジン」が急速に進む中、「変化への危機感をいかにビジネスチャンスに変えるかが問われている」(三菱自動車の益子修最高経営責任者)。