
日本空港ビルデングと双日が運営に参画する現在のパラオ国際空港(双日提供)【拡大】
計画では来年5月ごろから改修工事を始め、約5500平方メートルの2階建てターミナルの床面積を1.5倍ほどに広げ、運営にも関わる。総事業費は約35億円。日本空港ビルは快適なターミナルの提供で貢献できるとみて、日本からの定期便増も期待する。
実は、パラオ政府も日本企業に空港ターミナル事業を委託したいとの思いが強かったようだ。第一次世界大戦後、日本の委任統治領となったパラオの国民は今も親日的だ。日系人のクニオ・ナカムラ氏(73)が大統領として独立を成し遂げたほか、国会では日系の政治家が強い影響力を持つ。
双日の藤本昌義社長は「パラオの(レメンゲサウ)大統領から日本企業にホテルやインフラ関連に参画して欲しいと言われ、日本への期待感をひしひしと感じた」と打ち明ける。
◆インフラ整備に遅れ
パラオが日本との結び付きを強めようとする背景には、中国人観光客急増への「戸惑い」がある。
12年にわずか800人ほどだった中国人観光客は、15年には8万7000人と約100倍に膨らみ、外国人観光客の過半を中国人が占めた。
ホテルや生活用水などのインフラ整備が追いつかず、アジア開発銀行(ADB)が「大変なことになる」と異例の警告をしたほどだ。パラオ政府は中国から受け入れるチャーター便を制限した結果、中国人観光客は16年に減少に転じたが、それでも6万5000人と国別の首位をキープ。中国資本のホテルやレストランも建設ラッシュだ。