小売りは値下げ、外食は値上げ 人件費高騰は同じでも…割れる戦略 (2/2ページ)

17日から食品や日用品などを値下げした西友。赤羽店(東京都北区)では初日から多くの客で賑わった
17日から食品や日用品などを値下げした西友。赤羽店(東京都北区)では初日から多くの客で賑わった【拡大】

 セブン-イレブン・ジャパンなどコンビニエンスストア大手3社も今春、日用品を中心に値下げした。

 ただ、人手不足で人件費は上昇しており、低価格競争がいつまで続くかは見通せない。求人情報のリクルートジョブズによれば、三大都市圏(首都圏・東海・関西)の10月のアルバイト・パート平均時給は前年同月比2.5%プラスの1021円と、2006年の調査開始以来の最高だった。

 小売り以上に人件費の負担が重たいのが、調理や注文、片付けなどで人手を掛けざるを得ない外食だ。

 税理士らで組織されるTKC全国会のデータによれば、業種別の売上高に占める人件費の比率はコンビニで10%程度。これに対し、レストランは30%を超えるなど外食の人件費比率は軒並み高い。

 食材費の上昇もあり、外食最大手のゼンショーホールディングス(HD)は、傘下の牛丼チェーン「すき家」などで値上げの検討に入った。さらに居酒屋業態に追い打ちをかけたのが、6月の酒の安売り規制強化だ。仕入れ価格上昇などを受け、居酒屋チェーンの鳥貴族は10月に値上げした。

 しかし、鳥貴族は値上げした10月の既存店売上高が前年同月比で3.8%下落するなど消費者のデフレ心理は払拭できていない。

 流通業界に詳しい日本経済大学の西村尚純教授は「食材費の高騰などコスト上昇が一服すれば、外食で値下げが復活する可能性もある」と指摘する。(大柳聡庸)