「なんで遅れた」「遅れたくせに」 しつこく文句を言い続ける「粘着バカ」にはこう切り返せ (1/3ページ)

ニッポンの謝罪道

 はじめまして。ネットニュース編集者の中川淳一郎と申します。ひたすら毎日ネットばかり見ていますが、ここ2年、非常に顕著になったのが「謝罪を論評する」一般人および、テレビの出演者達です。時にはリスク管理の専門家が出てきて「おじぎの角度がなっていない」と言ったり、「謝罪するにしては、バッチリメイクをし過ぎている」などと言う。テレビのコメンテーターにしても、不倫謝罪会見を見た後、「謝る順番が『CM関係者』→『番組関係者』→『仕事相手』→『ファン』→『世間』となっている。一番謝るべき相手である『自分の妻』と『相手の夫』が除外されているではないか、なっとらん! やり直し!」なんて言う。

 そして、勝手に「良かった不倫謝罪会見・悪かった不倫謝罪会見」などと論評する。これまでの報道やSNSの書き込みなどを見ると、こんな感じでしょうか。

○:三遊亭圓楽(笑いに変えた)、ファンキー加藤(潔く認めた)、宮崎謙介(議員辞職、というけじめのつけ方もセット)、桂文枝(妙な悲壮感が漂っていたうえにもう年齢も年齢、大御所過ぎてレポーターが遠慮した)

×:ベッキー(謝る相手が違った。嘘だらけだった。笑みを浮かべていた)、渡辺謙(笑い出した)、斉藤由貴(嘘をついていた&とにかく意味不明)、山尾志桜里(ペーパーの棒読み)、今井絵理子(嘘ついているのがバレバレ)、橋本健(※今井の相手 汗かき過ぎ、嘘つき過ぎ)

 2016年、私は『謝罪大国ニッポン』(星海社新書)という本を書き、こうした現象のことを「一億総謝罪評論家化」と名付けました。また、企業の謝罪会見の場合は、スーツ姿の男がズラリと並び、頭を一斉に下げる。その時にフラッシュがパチパチと焚かれるところまでがセットになっている。さらにはこの頭を下げる「会社だけではエラいオッサン」連中の中にハゲ頭が一人いると尚良し、といったことも書きました。これぞ「茶道」「剣道」「柔道」などに通じる「謝罪道」であり、日本における謝罪は「型」こそ重要であると指摘したのです。

画像はイメージです(Getty Imaes)

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 本連載では、2週間に1回、印象的だった謝罪会見やら、企業による謝罪文の発表などを「謝罪道」に基づき「評論」を加えていきたいと考えております。もちろん見事なまでの謝罪というのもあるでしょうが、多くの場合、ツッコミを入れたくなってしまうまさに「謝罪評論家」的高みの見物となることでしょう。また、適宜私が過去に行なった、見聞きした謝罪なんかも書いていきます。

「遅れたくせに」 しつこい医師に取った作戦