現在、石油需要の過半のガソリン・ディーゼルが減少すれば石油製品構成が激変、製油所での生産や原油選択に大きな影響が出る。ガソリンスタンド経営など流通にも多大な影響が出る。
石油需要減少分だけ電力需要が増大し、その増分をどう賄うかも問題だ。発電構成次第だが、仮に石炭火力発電で需要増に対応すればCO2や大気汚染物質排出削減効果は期待し難い。
また、需要ピークといっても50年で現状並み石油需要水準であれば、石油生産維持のため巨額の開発投資が必要である。それを怠れば投資不足で需給逼迫(ひっぱく)、油価高騰から石油離れを加速する原因となり得る。地政学リスクから石油供給危機があっても、自動車電動化推進に拍車が掛かる可能性もある。
現時点では、電動化がどう進むのか、先行きは不透明である。技術そのものにも、関連インフラにもさまざまな課題がある。エネルギー問題にも多大な影響を及ぼす自動車の将来から目は離せない。
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【プロフィル】小山堅
こやま・けん 早大大学院修了。1986年日本エネルギー経済研究所入所。2011年から現職。英ダンディ大学留学、01年博士号取得。専門は国際石油・エネルギー情勢分析など。58歳。長野県出身。