創業4年で時価総額1000億円以上 AI時代を生き抜く「メルカリ流の組織づくり」 (3/5ページ)

 「これからの30年を考えると、最大の富の源泉--そして最も面白い文化的イノベーション--はこの方向の延長線上にある。2050年に最も大きく、最速で成長し、一番稼いでいる会社は、いまはまだ目に見えず評価もされていない新しいシェアの形を見つけた会社だろう。シェア可能なもの--思想や感情、金銭、健康、時間--は何でも、正しい条件が揃い、ちゃんとした恩恵があればシェアされる」

 メルカリでは、すでに「モノ領域」のフリマアプリだけではなく、「コト領域」での事業(英語レッスンなど)等も展開しています。C2Cに特化した投資ファンド事業も行なっており、私はメルカリがP2Pのプラットフォーム企業になることでメルカリ経済圏を創造していこうとしているのではないかと考えています。

 私がメルカリにP2Pプラットフォーム企業としての大きな可能性を感じるのは、山田CEOが「インターネットは本来、一人ひとりにエンパワーメントを与えるもの」であることを再三強調し、個人やチームの能力を重視した事業展開に強いこだわりをもっているからです。創業4年で時価総額1000億円以上というこれまでの驚異的な事業スピードも、まさに個人とチームの強みを引き出し、ピア・ツー・ピアというフラットで新たな関係性をフリマアプリというかたちで事業化したからだと思うのです。

 山田CEOの優れたトップダウン・リーダーシップだけではなく、メルカリにはボトムアップ・リーダーシップも存在しています。「文化的イノベーション」を生み出し、新たな時代の「文化ブランド」に成長する可能性も秘めています。そこに「アマゾンvs.アリババ」に対抗する新経済圏を創造する日本企業としての将来性を見出しているのです。

「超米国的なコトよりは超日本的なコト」