
インタビューに応じるインテグループの藤井一郎社長=19日午前、東京都千代田区(菊本和人撮影)【拡大】
--成約の確率は
「上場している仲介会社の開示情報を見ると、社員1人当たりの成約件数は年間1件程度で、難しい仕事であることは確かだ。しかし、われわれは社員1人当たりの成約件数が年間3件と、業界平均の約3倍の実績をあげている」
大きな成長余地
--M&Aを仲介する会社として、売却しやすい会社とは
「ある程度の規模があり、経営が個人に依存せず組織で運営され、利益がしっかり出ている会社だ。いくらわれわれが中小企業に特化しているとはいえ、従業員は最低でも10人いることが望ましい。組織で運営されているかどうかをみるには、経営者が社員に権限を委譲しているかが大切な判断材料になる。社員は2、3人で、売上高は年間数千万円、経営者1人が切り盛りしている-といった会社は、正直なところ売却することが難しい」
--M&Aの意義とは
「第1に優良企業の存続、発展、第2に起業家が創業者利益を獲得する機会の創出、第3に相乗効果が創出できる機会の拡大だ。日本のM&A市場は欧米に比べて半分の水準でしかないが、これは“成長余地が大きい”ということでもある。市場の拡大には利用者の納得性が重要で、そのためにも完全成功報酬制は必要になる。上場している仲介会社を含め、この報酬制を採用している企業は極めて少ないのが現状だが、われわれは、そのマーケットを築き、拡大させたい」
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【プロフィル】藤井一郎
ふじい・いちろう 早大政経卒。三菱商事に入社し、台湾・中国市場の自動車関連プロジェクトに従事。米国留学後、通信インフラを提供しているフリービットのマネジャーや、経営コンサルタントのサンベルトパートナーズ取締役を経て、2007年インテグループを創業。43歳。兵庫県出身。
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【会社概要】インテグループ
▽本社=東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル26階
▽設立=2007年6月
▽資本金=1億円
▽事業内容=M&Aの仲介・アドバイザリー