インターステラテクノロジズのロケット「MOMO」初号機の打ち上げ。目標高度には達しなかった=2017年7月30日、北海道大樹町(同社提供)【拡大】
政投銀で、宇宙ベンチャーを担当する航空宇宙室の山本覚課長は「私どもの出資や融資が民間による新たな融資や投資の呼び水となることで、宇宙関連産業の盛り上げを後押ししたい」と語った。
また、内閣府は17年に初めて、宇宙をテーマにしたビジネスプランコンテスト「S-Booster」を開いた。「JAXA(宇宙航空研究開発機構)などと連携して、スタートアップ(創業初期)のベンチャーを支援したい」として、18年以降の開催も検討している。
これまで宇宙ビジネスの世界は、衛星やロケットの開発が中心だったが、いまやテーマはユニークな宇宙空間の活用に変わってきている。革新的なアイデアを持つ、新しい宇宙ベンチャーの登場を期待したい。
内閣府が17年5月に公表した「宇宙産業ビジョン2030」によると、政府は30年代前半までに、宇宙関連市場の規模が現在の2倍に当たる2兆4000億円になると試算している。その市場には多くのベンチャーが必要になるはずだ。
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■主な宇宙ベンチャー企業
(会社名/本社/主な事業)
ispace/東京都港区/月面での資源探査
アクセルスペース/東京都中央区/衛星で撮影した画像の配信
ALE/東京都港区/人工流れ星
アストロスケール/シンガポール/宇宙ごみの回収
インターステラテクノロジズ/北海道大樹町/小型ロケットの開発
植松電機/北海道赤平市/小型ロケットの開発
PDエアロスペース/名古屋市緑区/航空機型宇宙輸送機の開発
インフォステラ/東京都渋谷区/衛星通信用アンテナシェアリング
ウミトロン/東京都港区/衛星で観測した海洋データ活用による水産養殖技術の開発
ビジョンテック/茨城県つくば市/衛星リモートセンシング技術の開発
スペースシフト/東京都港区/宇宙葬など