AI時代にビジネスパーソンに本当に求められる力--未来を創る力には、論点を立て、解決までの筋道を考える構想力、そしてそのための長期の目標設定が不可欠なのです。
「いま、世界はどのような状況にあり、自分たちが置かれている国家や社会や業界はどのような立場にあるのか」「自分たちが果たすべき役割とは何であるのか」「その役割にしたがって自分たちは何をしていくべきであるのか」。最終的には組織のリーダーとして、これらの課題設定を行っていく能力を養っていくのが、これからの時代には求められているのです。
グーグルが人の仕事として大切にしていること
冒頭に述べた「AIが人の仕事を奪う」という危機感が急速に広まったのには大きなきっかけがあります。
それは、「AIの王者」であるグーグルが、2012年にディープラーニングという技術的な進化をAI分野で成功させたことです。グーグルは同年にYouTubeから無作為に取り出した多数の画像をAIに学ばせて、猫という概念をAIに学び取らせることに成功しました。これ以降、AIのディープラーニングは短期間のうちに進化し、実際にAIが人の仕事を奪うことが現実化したのです。
そのグーグルは「人事ビッグデータ×AI」によって、人事面での生産性を高めています。グーグルの人事責任者であるラズロ・ボック氏は『ワーク・ルールズ!』(東洋経済新報社)で、同社の採用・育成・評価の内容について、次のように書いています。