一方で、有機ELと競合する大型の液晶テレビはこの半年で値下がり幅は小さかった。このため、BCNによると、有機ELと液晶の価格差は、55型で有機ELの方が同6月に20万円程度高かったのが、同12月には14万円程度にまで縮小した。
BCNの調べでは、有機ELテレビの販売は昨年12月に半年前の約4倍に増えた。BCN総研の森英二チーフアナリストは「価格が下がれば、さらに販売は伸びる」と話す。家電量販店を展開するノジマが年内にプライベートブランド(PB、自主企画)の有機ELテレビを市場価格の半額程度で投入する計画もある。
有機ELテレビの価格はパネルの調達コストが左右する。現在、量産できるのは韓国LGディスプレー1社で、各社ともパネルの調達を頼る構図だ。シャープやジャパンディスプレイはパネルを開発中で、独占が崩れれば、テレビの値段も下がる見通しだが、量産にいつこぎ着けるかは不透明な状況となっている。(万福博之)