楽天が携帯電話事業に「失敗」する理由 「低料金で勝負」の限界が見えている (3/3ページ)

 かつてソフトバンクが携帯電話事業に参入したときも、孫正義社長は「国民のために安い料金プランを提供する」と息巻いていた。その後、確かに他社よりも圧倒的に安い料金プランであったが、思った以上にドコモやKDDIからユーザーが流入することはなかった。

 当時のソフトバンクは「安くてもつながらないのでは使い物にならない」として敬遠されていた。ソフトバンクが安価なホワイトプランに加えて最初にアイフォーンの独占的販売権を手に入れても、いまだにドコモがトップシェアなことを考えると、日本人がいかに保守的なのかがよくわかる。

 いまの日本市場は、携帯電話事業者間の顧客獲得競争は終焉を迎えている。総務省が、キャッシュバックやスマホの実質0円販売に規制をかけたため、大手3社間でのユーザーの争奪戦が収束したのだ。楽天が大手3社と互角に戦えるようになるには、全国にネットワークが整備され、3社よりもはるかに安い料金を提供し、人気機種を揃えられるようになってからだろう。その環境が実現できるのは、10年単位での時間が必要で、それまで楽天の体力が持つかが心配にならざるをえない。

 (ケータイジャーナリスト 石川 温 写真=時事通信フォト)(PRESIDENT Online)