
三菱日立パワーシステムズが昨年6月に生産を始めたガス化炉=長崎市の長崎工場【拡大】
苦節30年、ようやく開花
日本でIGCCの技術開発がスタートしたのは1980年代半ば。背景には、2度のオイルショックで石油への過度な依存が見直され、省エネ技術のニーズが高まったことがあった。苦節30年の技術は、ようやく花開こうとしている。
もっとも、課題もある。発電コストの引き下げもそうだが、それ以上に壁となるのが、欧州中心に相次ぐ「脱・石炭火力」の動きだ。日本でも1月16日に、中川雅治環境相が経団連の榊原定征会長らと会談。石炭火力を減らさなければ「パリ協定の(温室効果ガスの削減)目標が達成できなくなる」と、途上国への輸出で温暖化対策に貢献できるとする経団連に方針転換を迫ったばかりだ。画期的な技術とはいえ、普及するかは予断を許さないのが実情だ。(井田通人)