ピーチ、パイロット自社養成 国内LCC初 今夏に募集開始

 ANAホールディングス傘下の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションは1日、2019年度からパイロットの自社養成を開始すると発表した。旺盛な航空需要で世界的にパイロット不足が深刻化し、人材確保が課題となっていることから、将来的な路線拡大に向けて自社養成が必要と判断した。

 国内の航空会社では既に全日本空輸、日本航空、スカイマークの3社が自社養成に取り組んでおり、国内LCCとしては初めて。ピーチは自社養成候補生の募集を今夏に開始する。募集人数や入社時期、養成方法などを今後詰める。ANAHDは18年度からの中期経営計画で、LCCによる国際線中距離路線の拡充を表明しており、ピーチは人員の安定確保に向けた投資に踏み切る。

 パイロット自社養成制度を持たない航空会社は航空大学校、私立大などの操縦士養成課程で免許を取得した人を採用するが、養成課程の定員は現在、二百数十人程度にとどまる。LCCが相次いで国内路線に参入しており、不足感が高まっている。パイロットの急病や退職を理由に欠航せざるを得ないケースもあり、航空会社にとってパイロットの確保は事業運営の鍵となっている。