【開花した韓国事業 Jトラストの挑戦】(2)“日系貸金業者”の先入観に苦戦 (3/3ページ)

クリスマスパーティーでJTグループ職員と踊る子供たち=2017年12月19日、カンナム市
クリスマスパーティーでJTグループ職員と踊る子供たち=2017年12月19日、カンナム市【拡大】

  • JTワンワンコンテストで優勝した飼い主と犬。右から3人目がJT親愛貯蓄銀行のユン・ビョンムク代表理事=2017年11月30日、ソウル市

 パーティーを楽しんだJTキャピタルのチャ・ドング代表理事は「地域の社会的弱者を応援するのもわれわれの役割。お金がないので体で参加する」と笑った。その上で「ボランティアはリーダーシップ教育の一環。コストがかかっても社員の参加機会をつくる」という。

 地域社会に近づくことができるCSR活動は韓国進出以来続けており、一人暮らしの高齢者向け給食ボランティアや、シングルマザー支援団体への寄付などに取り組んでいる。

 ドラマを制作支援したことで約20人のJTグループ役職員が出演でき、視聴者にJTワンワンコンテストや社会貢献活動などを直接訴求。国民に「親しまれ愛される銀行」イメージを浸透させることにつながった。

 業界初を連発するユニークなマーケティングと積極的なCSRにマスコミの注目度も高まる。JTグループ全体の17年の報道量は2115件と前年比24%増加し、内容もポジティブな論調が多く全体の8割を超える。韓国事業を統括する千葉信育Jトラスト専務は「昔はネガティブ報道が多かった」と様変わりに満足げだ。進出当初の日系貸金業者から韓国の銀行として認められるようになった。(松岡健夫)

【開花した韓国事業 Jトラストの挑戦】(1)規制強化でも「日本式」が奏功

【開花した韓国事業 Jトラストの挑戦】(3)順法意識徹底、当局も信頼